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パンがなければまんじゅうを食べればいいじゃない
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ちょっと、あまりにもメイドな十代って萌えるので(自分の絵では萌えなかったが)それに至るまでの妄想を………
つづきからどうぞ☆

※万十です。


「万丈目~、デュエルしようぜ!」

築何年経っているのかわからないレッド寮の廊下を軋ませて、突然万丈目の部屋を訪れた十代は開口一番にそう言い放った。
しかし、当の万丈目はもう慣れたのか、十代の方を振り返ることもなく「嫌だ」と即答する。


「えぇ~、なんでだよ!暇だろ?いいんじゃんか、デュエルしようぜ!」

「いやだ、と言ってるだろう」


それでも十代は引き下がらず、万丈目は渋々十代の方を振り返る。
その手にはデッキが握られていて、十代のしつこさに折れたことが読み取れる。


「お?やる気になったのか!?」

「…仕方あるまい…ただし、だ。」

「ん?」

「賭けをしよう」


「はぁ?」と、十代が首を傾げる。
「賭け」――それはつまりアンティールール?と、万丈目の言葉が十代の頭の中をめぐっていく。


「別に、カードを賭けるわけじゃない。」

「じゃあ…何を?」


万丈目の表情は相変わらず、しれっとしたままで。


「負けた方が相手のいうことを1つ聞く。それでどうだ?」


と、そういった。
万丈目の提案に、もともと深く考えない十代は二言で承諾し、デュエルを始めてしまうのであった。





「十代、最初の約束覚えているか?」


万丈目が楽しくて仕方のないように、クツクツと笑い声をあげながら手札とフィールドを交互に見やる十代に言い放つ。
現在の戦況は、十代には少しばかり不利な状況にあった。
キーとなるカードがなかなか揃わないのだ。
一方万丈目は、今回引きが良かったのか、ほぼ彼のペースに乗せられている。
このままではマズイ……そう、思った時には既に遅かった。



「だぁぁ~、くっそ、負けたぁ~」

「フン、オレの実力なら当たり前だな」

「いっつも万丈目、オレに負けてるじゃん」

「ぅうるさい!」


ちぇ、と負けたことを素直に悔しがる十代をよそに、万丈目はニタリ…と笑った。


「…賭けの内容だが…」

「ん?あ、そうだった。…て、何探してんだ?」


十代が気がついて顔をあげると、万丈目は何やらガサゴソと部屋をあさっていた。
しばらくすると目的の物を見つけたのか、万丈目は茶色い紙袋を十代に投げ渡した。


「…?なんだこれ?」

「今日1日、それを着ていろ」


着る?ということは衣服だろうか…そう思って、十代が紙袋を開けてみると、赤い生地が目に入った。
十代の好きな赤だ。
しかし、中身を手にとって紙袋から出してみると、白くてフワフワしたものがいたるところに付いているのが目に入る。
広げてみると、その服には袖と襟がなく、前面に沢山のフリルが付いていた。
もしや…と思い、紙袋の中をもう一度見ると、そこにはまだ何かが入っていて。
それも取り出して広げると、丈の短いスカートだった。


「ま、万丈目…?」

「なんだ、聞こえなかったか?それを、今日1日、着ていろ」


ショックのあまり声が出なかった。
これを、1日着てなければならないなんて。
スカートの前部分に、スカートよりも小さなエプロンが付いているのを見るからにして、これは所謂メイド服とか言うものなんだろう。
そんなものを、男の自分が着るなんて…と、十代は少し涙目になりそうだった。


「ま、まじで…?」

「ルールはルールだからな?」

「う……なしってことには…」

「ならない」


ですよね…と十代はもう、泣きたい気分でいっぱいだった。







「………き、着たぞ………万丈目」


涙目になりつつも、文句を言いつつも、渋々着替えた十代は足がスースーするのか、スカートを抑えつけていた。
そんな十代などお構いなしに、万丈目は全身へと目を走らせ、自分の目に狂いはなかったと満足していた。


「……やっぱり、赤が似合うな」

「…?なんか言ったか?」

「いや…」


ぼそっと呟かれた言葉は聞き取れなかったのか、十代は「どうせ気持ち悪い…とか思って、笑いものにする気なんだ」と、勘違いしていた。
しかし、あまりにも万丈目が凝視してくるため、なんだか居心地が悪くなってくる。


「…ま、万丈目?」

「なんだ?」

「……やっぱ、脱いでもいいか?」

「ダメだ」


正直、十代としては一刻も早く脱ぎたい。
今日はいくら授業がないとはいえ、いつ翔や明日香たちに出くわすとも限らない。
こんな恰好を見られるなんて、とてもじゃないが嫌だった。


「にっ似合わないだろ?脱いでいいよな!?」


どうにか理由をこじつけて脱ごう、と思ったが意外な言葉が返ってきてしまった。


「…似合ってるぜ?」

「はぁ!?」

「折角なんだ、ご主人さまって呼べよ…十代……」

「…ふぇ!?」


じろじろと眺めるだけだった万丈目の腕が十代に伸びる。
それはむき出しの肩から首にかけてをスッとなぞる様に動き、十代はピクリと体を揺らした。


「ほら…言えるだろう?」

「ん、やっだ…」


首筋を辿っていた指は髪をかき分け、隠れていた耳をなぞる。
万丈目の手が触れる度に、十代は大げさともいえる反応を返した。
それに気を良くしたのか、万丈目は耳元に口をよせいつもより低い声で


「十代…」


と囁いた。


「…ぅ、まん、じょうめ……」


十代はもう、いっぱいいっぱいでどうしたらいいのか分からなくなってきてしまっていた。
ぐるぐると思考が同じところをめぐる。
もう、ダメかも…と思った瞬間。



『兄貴~?どこっスか~??』

と、外から聞きなれた声が聞こえた。
その声の持ち主は、自分を探しているようで。
壁の薄いレッド寮の中からは、キシキシ、と階段を昇る音も聞こえてくる。


目の前には万丈目。
もうすぐ来るであろう、弟分。
そして、自分の情けない格好。


「ぅぅぅ~…、い、いやだぁ!」

「…うぐっ…!」

ぐるぐるしていた思考は余計に目まぐるしく回り出し、わけの分らぬまま、万丈目を思いっきり突き飛ばしていた。


「は、はぁ…はぁ……あれ?万丈目…?」


思いっきり突き飛ばされた万丈目は、飛んだ先が悪かったのか、頭を打ち付けたらしく、床に伸びていた。
動かない万丈目の様子も気になったが、十代は今それどころではなく、案の定、翔が万丈目の部屋の戸に手をかけた。


「兄貴~、ここっスか?」


そういって、ノックもせず部屋の戸をあける。
すると、目の前には床に伸びた万丈目の姿。
そして、中を見回すと布団にくるまる様にして顔だけ出している十代がいた。


「あ、兄貴…?」

「…よう…翔!どうかしたか?」

「あ~…いや、こっちの方が気になるんスけどね;;」




***

「変なことするから、万丈目とはもうデュエルしない!」

「な、何だと!?」



END


文才ないorz
ネコ耳はカットしました。



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